消費者の視点からデバッグができる

開発を行うIT業界の現場で大きな課題になるのがデバッグである。エンジニアが必死に開発を進めてプログラムを構築したものの、動作しないというのは日常茶飯事であってデバッグを行わなければならないのが当然のようになっている。

デバッグが開発に必要になる労力と時間の大半を占めていることも稀ではなく、エンジニアにとっては精神的な負担も大きいことが多い。しかし、組み込み系のエンジニアの場合にはそれが比較的緩和されることがしばしばある。デバッグが必要であるのは確かであり、プログラムと本体の連携が取れていないとならない点から、苦労も多いのは確かだろう。しかし、デバッグの作業が消費者視点で行えるのは組み込み系の魅力である。組み込み系のエンジニアになって比較的初期から携わることがよくあるが、だんだんと能力が高くなるにつれてデバッグの面白さを見つけられるようになるだろう。

エンジニアもまた消費者であり、デバッグをする過程でより良い形があるのではないかと気づくことになることが良くあるのである。改善の可能性を見出して開発側に伝えてみるとただバグを修正するだけの作業のはずが、製品の向上につながってしまうのが魅力になる。消費者の視点からエンジニアとしての仕事ができるため、他の業種の仕事に比べて消費者としての自分の感性を活かしやすいのが組み込み系である。それに気づくことによって大変に感じられていた作業すら面白いと感じられるようになりやすい。